テニスラケットのストリングパターンの違い【何がどう変わるのかを解説】

         テニスラケットのストリングパターン

テニスラケットのストリングパターンについて解説します。

「ストリングパターンにはどんな種類がある?」
「パターンが変わると何がどう変わるの?」
「自分に合ったストリングパターンは?」

上記のような疑問にお答えできればと思います。

テニスラケットのストリングパターンとは?

ストリングパターンとは、テニスラケットのフェイスに張るストリング(ガット)の縦と横の本数を数値化した要素で、「n(縦の本数)×n(横の本数)」と表現されます。

パターン数が少ない=マス目が少ない(粗い)
パターン数が多い=マス目が多い(細かい)

ストリングのマス目
縦横のストリングの本数が少なくマス目が少ないパターンは「粗いストリングパターン」、縦横のストリングの本数が多くマス目が細かいパターンを「細かいストリングパターン」とされています。

同じフェイスサイズ・フレームウェイトのラケットでも、ストリングパターンが異なるモデルがあり、奥が深い要素です。

ストリングパターンが違うと何が変わるの?

ストリングパターンによる違い
ストリングパターンが変わることでショットのインパクト時に生じる力を、回転をかける垂直方向と打球スピードを加速させる水平方向に振り分ける比率が変化します

つまり、ストリングパターンはインパクト時に生まれる力のベクトルを調整する要素だと言えるでしょう。

では、粗いパターンと細かいパターンがそれぞれどちらの方向に力を振り分けやすいのかについて解説します。

マス目が少ないパターン

マス目が少ないストリングパターンは、インパクト時にボールが引っかかる感覚が強く、垂直方向に伝わる力を大きくさせやすいです

垂直方向に力を伝えやすいということは、回転量を増やしたりショットの軌道を高くしたりすることが、マス目が多いパターンよりもやりやすいと言えます。

一般的には「16×18」「16×19」のストリングパターンが、「粗いストリングパターン」に該当します。

マス目が細かいパターン

マス目が多いストリングパターンは、打球のスピードに影響する水平方向への力を伝えやすくなります

そのため、粗いパターンと比較して速い打球や軌道の低いショットを打ち込む場面では有利です。

軌道が低いフラット系のストロークを主体とするプレーヤーは、細かいストリングパターンの方が適していると言えるでしょう。

一般的なストリングパターンとそれぞれの特徴について

インパクトイメージ
現在販売されているテニスラケットのストリングパターンは、主に以下の4種類です。

・縦16×横19
・縦16×横18
・縦16×横20
・縦18×横20

それぞれの特徴についても見てみましょう。

縦16×横19のストリングパターン

「縦16×横19」のストリングパターンは、最もスタンダードで性能バランスに優れたパターンです。

程よい引っかかりで回転もかかり、低い軌道の速いボールも打ち込みやすく、ストリングパターンに迷っていたり、こだわりがない場合はこのパターンで問題ないかと思います。

縦16×横18のストリングパターン

「縦16×横18」は、「16×19」と比較してクロスの間隔が広くなり、より回転をかけやすいという特徴があります

このストリングパターンのモデルはプリンスのラケットで取り扱いがありますが、他メーカーではあまり見られないレアなパターンです。

縦16×横20のストリングパターン

「縦16×横20」はボールが引っかかる感覚を残しつつも、水平方向に力を伝えやすいストリングパターンになっています

フィジカルにも自信があり、ショットの威力とコントロール性を両立させたいプレーヤーにおすすめのパターンです。

縦18×横20のストリングパターン

「縦18×横20」は水平方向に力を伝えやすく、軌道が低く速いショットを打つのに適しているストリングパターンと言えます。

スイングスピードが速く、ボールを潰せるだけのフィジカルを持つプレーヤーであれば、「縦18×横20」のストリングパターンでボールの質を高めていくことも可能です。

【まとめ】ストリングパターンは力のベクトルを調節する役割

・ストリングパターンが少ない(粗い)=垂直方向(回転・軌道)に力を伝えやすい
・ストリングパターンが多い(細かい)=水平方向(打球スピード)に力を伝えやすい

パターン数が多いと前方向へ力を伝えやすく、パターン数が少ないと上方向に力を伝えやすくなるということです。

初心者であれば、まずオーソドックスな「16×19」のパターンでボールを打ってみて、その後の方向性や好みに合わせて違うストリングパターンを試してみても良いかと思います。

今後のラケット選びの参考にしていただければ幸いです。

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