今回はテニスラケットに貼るストリング(ガット)のテンションについてです。
「テンションが高い(硬い)とボールが飛ばないらしい」
「テンションが低い(緩い)とボールが飛ぶらしい」
ガットのテンションに関する見解は様々ですが、実際のところどうなのでしょうか?
ガットのテンションについて迷っている方はぜひ最後まで読んでみてください。
目次
ガットのテンションとは?
テニスラケットのガットの張りの強さは「テンション」と表現し、強さの単位を「ポンド(lb)」と言います。
ポンドの数値が高いほど引っ張る力が強く、数値が低いほど引っ張る力が弱くなるという仕組みです。
テニスラケットのテンションはボールを打った時の打球感やショットの質にも影響を与える重要な要素の1つで、同じスペックのラケットであってもテンションが異なることでショットの質にも差が生じます。ショットやプレーの質を高めたり、怪我の予防をしたり、自身の志向やプレーに適したテンションを選ぶ必要があります。
また、ガットのテンションはボールを打っていたり、使っていなくとも時間の経過によって徐々に落ちてきます。そのため、ベストな感覚でボールを打ち続けるためには定期的にガットを張り替えることが大切です。
ガットのテンションが変わると何が変わるの?
ガットのテンションの高低差は打球感にも大きな違いを生みます。
ご自身のプレースタイルや打つショットにも影響するため、テンションによる基本的な違いを抑えておきましょう。
テンションが高い(引っ張る力が強い)場合
・反発性が少なく、打感が硬い
・ボールが飛びにくくなる
・手や腕への負担が大きい
ガットのテンションが高い場合は反発力が少ないため、打球感は硬いと感じやすくなります。インパクトの時にボールを捉える手応えを感じやすく、テンションが低いガットよりもボールが飛びにくくなるため、ショットの軌道をコントロールしやすいと言えるでしょう。
ガットのテンションが低いラケットでボールを飛ばすためには、一定以上のスイングスピードや筋力が要求されるため、初心者やフィジカルに自信がない方はテンションを高くし過ぎないように要注意です。
テンションが低い(引っ張る力が弱い)場合
・反発性が大きく、打感が柔らかい
・楽にボールが飛ばせる
・スイングスピードが遅くても回転をかけやすい
テンションが低い場合はインパクト時にストリングがたわんで反発力が生まれて、少ない力でもボールを飛ばすことができます。それに伴い、打球感もテンションが高い場合よりも柔らかく感じるかと思います。
また、ストリングがたわむ分ボールとラケットの接触時間も長くなるため、スイングスピードが遅くても回転をかけやすいです。
ただし、あまりにもテンションを低く張ったり、使っていくうちに張りの強さが落ちてくると今度はボールが飛ばなくなってしまうため注意が必要です。
【重要】必ずしも「テンションが低い=飛びやすい」とは限らない
ガットのテンションの高低差によって様々な違いがありますが、「テンションが低い=ボールを飛ばしやすい=良いショットが打てる」とは限りません。
腕力に自信がない場合は確かにテンションは低めの方がボールも飛ばしやすいですが、テンションが低すぎると今度はボールが飛ばなくなります。
一方で日常的にトレーニングをしていたり、一定以上のフィジカルを持っていればアマチュアであってもガットのテンションが高い方が回転もかけやすく、質の高いショットを打ちやすいです。
プロのスピンとアマチュアのスピンは質が異なる
プロ選手が打つボールのスピンとアマチュア選手が打つボールのスピンは、同じ回転方向でも質が異なります。
プロ選手は基本的に「ボールを潰せるだけのフィジカルを持っている」ため、ガットのテンションが一定以上硬くなければ回転をかけることができません。
そのため、アマチュアでも強いフィジカルを持っていればガットのテンションを上げても力強いショットをコントロールできる可能性もあります。
・フィジカルに自信がない方は緩く張ってボールとラケットの接触時間を伸ばして回転をかける
・ただし、ガットのテンションが低すぎるとボールが飛ばない
・ボールを潰せるだけのフィジカルがあればテンションを高くした方が回転をかけやすい
上記3点を考慮してガットのテンションを考えてみてはいかがでしょうか。
【まとめ】専門のストリンガーに相談して最適なテンションを見つけよう
今回はガットのテンションの違いについて解説しました。
一般的にはテンションを低く張った方が回転もかけやすくボールも飛ばしやすいですが、低すぎると飛ばなかったり、硬くても腕力があれば回転をかけやすかったり、少し複雑です。
要するに、「ガットのテンションと自分のフィジカル・スイングスピードが合っているかが大切」だと言えます。
ただし、自身のフィジカルがどれぐらいのガットのテンションに適しているか、プレースタイルに今のストリングが合っているかも自分だけで判断することは簡単ではありません。
専門店等のストリンガー(ガットを張る人)にも相談してみて、ストリングの種類や張りの強さを検討するのも良いと思います。