「ある時、突然テニスの調子が上がった」
「今日は何故か良いショットが打てる」
「どんなショットも入る気がする」
テニスは調子の波がありますが、上記のように「何故かわからないけど調子が良い」という日もあるかと思います。
ところが、ある日突然「前回は打てたのに、急に打てなくなってしまった」「何を打ってもボールがコートに入らない」とスランプに陥ってしまうことも珍しくありません。
そこで今回は、テニスの調子が悪くなる理由と対策、テニスの調子の波を安定させることで劇的に上達させるきっかけについて解説します。
ぜひ、テニスの上達に悩んでいる方は最後まで読んでみてください。
目次
テニスの調子が悪くなる理由
テニスの調子が悪くなる理由としては、主に以下の3点が考えられます。
・リズム、タイミングがズレている
・足が止まっている
・握り方が無意識に変わっている
リズム、タイミングがズレている
テニスは相手次第でラリーのリズムも異なります。打ち慣れたリズムの相手とのテニスであれば問題ないですが、普段と異なるリズムの相手とラリーをするとタイミングもずれやすくなります。
普段は100km/hの平均速度でラリーをしていて、突然平均速度が50km/hに落ち込んだり、軌道が大きく変わったりした場合、それまでと同じリズムで打つとミスショットになるということです。
打ち方の問題ではなくリズムやタイミング等の感覚的な問題であるため、打ち方に問題があるのではないかと余計な思考が増えてしまい、さらにリズムが合わなくなってしまいます。
足が止まっている
プレーの過程で疲労が蓄積されると、1歩目の反応や動き出しが遅くなりがちです。
また、ボールに追いついても足を細かく使って行う微調整を怠ることで、当たり損なったり、ミスショットが増えてしまいます。
ミスが増える中で打ち方やフォームについて考え始めると、さらに足が止まり、負のループに入ってしまうため注意が必要です。
握り方が無意識に変わっている
特にストロークのグリップの握り方は、自分が思っている以上に日々変わっているかもしれません。
ラリーの中でもインパクト時にズレることで薄くなったり、厚くなったりするため、同じ打点で捉えているつもりでも微妙な変化が生じてしまうのです。
テニスの調子が突然良くなる理由
思うようなショットが打てなかったり簡単なミスが増えたりしているところから、突然テニスの調子が上がる現象には必ず原因があります。
具体的には、以下の2点が当てはまる場合が多いです。
・雑念が減る
・身体が温まって動きが良くなる
雑念が減る
フォームや打ち方について考えるのは大切ですが、実際にボールを打つときにそれらは雑念でしかありません。
・打ち方について考えながらプレーして上手くいかない
・諦めて開き直る(何も考えずボールを打つ)
この「開き直り」がポイントで、雑念が減ることでボールへの集中力も高まり、プレーの質が格段に改善されます。
相手が打ったボールへの反応も速くなり、リズムもしっかり合うようになってくるでしょう。
余計な思考を極限までカットされて集中力が高まることで、いわゆる「ゾーン」と呼ばれる状態に至ります。
身体が温まって動きが良くなる
2つ目は、特にスロースターターの方に当てはまります。
単純に調子が悪いときは身体がまだ温まっていないだけで、時間の経過によって徐々に動きも良くなり、プレーの質も高まる可能性があります。
そのため、調子が悪くても難しく考え過ぎず、適度な力感でプレーしながら身体が温まるのを待ってみてはいかがでしょうか。
自然体でプレーするように心掛けることで、雑念も徐々に減ってくるかと思います。
テニスの調子が悪くなったときの対策
調子が悪くなる理由と良くなる理由について解説させて頂きました。
結論、調子が悪いときは雑念が多く集中力が低下している場合がほとんどであるため、調子を上げる・プレーの質を高めるためにはいかに雑念が少ない状態を作るかがポイントです。
ここからは、テニスの調子が悪いときにどのような対策を取るべきかについて考えてみましょう。
何も考えずラケットをフルスイングする
シンプルですが、「無心でラケットをフルスイングする」という方法も効果的です。ミスしても気にせず、とにかくラケットをしっかり振り切ることだけを考えましょう。
雑念は「雑念を減らそう」と意識するのではなく、シンプルに考えることで結果的に雑念が減ります。
つまり、「雑念を減らそうと考えること自体が雑念である」ということです。
言葉で説明することは難しいですが、調子が悪いときは普段以上にシンプルに物事を考えるように意識してみましょう。
打点を合わせることだけに集中する
テニスで重要なのは「いかに良いフォームで打つか」ではなく「いかに良い打点で捉えるか」ということです。
極論ですが、良い打点でボールを捉えることさえできればテイクバックや細かい動作はどうなっても問題ありません。
実際のところ、上級レベルやプロレベルのプレーヤーが自分の打ち方について説明するときも、細かい動作について言及するパターンは少ないです。
テニスの調子が悪いときは特に打ち方やフォームについても難しく考えすぎている場合が多いため、とにかく「打点を合わせる」ことだけに集中しましょう。
「打点を合わせる」こと自体も思考ではなく感覚的な部分であるため、難しく考えないことが大切です。
【まとめ】テニスも含め運動とは本来感覚で行うもの
人間の脳は左脳が言語や思考を司り、右脳が感性に関連する能力を司ると言われています。
つまり、雑念が少なく質の高いプレーができている上級者やプロ選手は無意識レベルで右脳を使っている場合が多いと考えることができるでしょう。
そして、運動とは本来感覚で行うものです。
歩くことも、自転車に乗ることも、動き方や漕ぎ方について難しく考えている人はあまりいないかと思います。
テニスも例外ではなく、基本的に難しく考えずシンプルに考えることが調子を上げるだけでなく、劇的な上達のきっかけになると言えます。