今回はテニスを上達させるための秘訣についてお伝えします。
ストロークやボレー、サーブ等、テニスには場面に応じて様々なショットを使いますが、いずれのショットも上達させる為の本質的な考え方は共通しています。
本質的な考え方を抑えることで、
・練習量と実力が比例するようになる
・簡単なミスが減って試合の勝率も上がる
・ストレスフリーでテニスを楽しめるようになる
こうした好サイクルにハマり、より楽しくテニスに取り組めるようになります。
「練習しているけど思うように上達しない」
「週末プレーヤーでもレベルアップしたい」
「テニス歴と実力が比例していない」
「何をやっても思うようなプレーができない」
そんな方は、ぜひ最後まで読んでみてください。
目次
テニス上達の前提条件:理論も感覚も十人十色
まず、「これさえマスターできればテニスが劇的に上達する」という美味しい話は中々ありません。
・グリップの握り方
・ボールを捉えるフィーリング
・どんなショットを打ちたいのか
・どれぐらいのレベルを目指すか
上記の要素に加え、テニスの上達を目指す過程で、何に躓いているかもケースバイケースです。
その方が「テニスが上達しない」といっても原因は様々な可能性があり、その方に最も適した改善策もそれぞれ異なります。
そのため、数ある打ち方や理論等の中から自身に最も適した方法を取り入れることでテニスを上達させることが可能です。
・万人に当てはまる上達理論は存在しない
・試行錯誤を重ねて自身に最も適切な技術を習得する
上記2点を前提条件として抑えておきましょう。
テニスを上達させるための具体的な手順は?
テニスを上達させるためには、基本的に以下の手順を実行する必要があります。
1.自身の現状を理解する
2.仮説を立てて試してみる
3.感覚が良ければ反復練習する
4.1~3を繰り返す
上記を4ステップを忠実に実行することで、着実にテニスのレベルを高めることが可能です。
1つ1つ具体的に考えてみましょう。
1.自身の現状を理解する
今以上にテニスを上達させるためには、まず自分の現状を把握することが第一歩となります。
・どんなボールを打ちたいか?
・どんなボールでミスをしているか?
・現時点でどのように打っているか?
上記3点について改めて考えてみましょう。
自分のプレーをビデオ等で撮影し、スロー再生でボールへの入り方や打点、打ち方もチェックしてみるのも効果的かと思います。
ポイントとしては、「どんなボールをどのようにミスするケースが多いのか?」という点を明確に把握することです。
・チャンスボールをネットに引っ掛けることが多い
・3球目のボールで打点が詰まってネットすることが多い
・サーブで回転がかからずオーバーすることが多い
等々、現時点のテニスでの問題点・課題は考えつく限りピックアップしてみましょう。
2.仮説を立てて試してみる
現状の把握が完了次第、どのようにすれば問題を解決できるのかを考えてみましょう。
仮説立ての例
仮説立て①
問題:チャンスボールで高い打点のボールが上手く打てない
仮説:ラケットを通常より高い位置にセットすれば綺麗に当たるのでは?
仮説立て②
問題:セカンドサーブがネットを超えるがフォルトする
仮説:打点が後ろになって面が上を向きすぎているのでは?
仮説立て③
問題:フォアハンドにパワーが上手く伝わらず、ボールが飛ばない
仮説:打点が身体から近すぎて、運動連鎖が機能していないのでは?
フォアハンドのネットミス1つでも、改善するために考えられる仮説は様々です。
自分のプレーを映像等で確認しながら、確実性の高い仮説を考えてみましょう。
3.感覚が良ければ反復練習する
改善するための仮説を立てたら、実際に改善策を実行します。
意識や身体の使い方等、テニスは小さな要素を変えるだけでも大きく変わる可能性を秘めているものです。
実際に練習してみて良いショットが打てた、感覚が良かった場合は立てた仮説が正解であると考えることができます。
新しい要素・技術を身につけるために、無意識レベルでも実行できるよう身体に覚えさせましょう。
4.1~3を繰り返す
1つの課題をクリアすることで、また新しい課題も見えてくるものです。
そのため、「現状把握⇛仮説を立てる⇛実行してみる」という一連のサイクルを常に回し続けることで、テニスを上達させることができます。
テニスにおける課題は、焦らず1つずつクリアするように徹底しましょう。
テニスの上達を目指すうえでの注意点・ポイント
「向上心は強いのに、思うようにテニスが上達しない」という方はかなり多いかと思います。
真面目でやる気があることは素晴らしいことではありますが、努力のやり方等を間違えてしまうと思うような成果は得られません。
「練習しているのに上達を実感できない…」という負のサイクルに陥らないように、以下のポイントを意識しましょう。
多少調子が悪くなっても途中でやめない
テニスにおいて新しい技術を身につけることは、簡単ではありません。
例えば、「コーチから何かアドバイスをもらって実践したら上手く打てたけど、翌日になるとまた打てなくなってしまった」という現象もテニスあるあるではないでしょうか。
そうなった時に、すぐにまた別の方法を考えるのは得策ではありません。
新しい打ち方や意識を身につける過程では、上手く打てる日も打てない日もあるものです。
感覚が悪い日はうまく割り切って、新しく身につけたい技術や要素は自分の技術にするまで継続するようにしましょう。
打ち方を変えるときは大げさに再現する
何か打ち方やフォームを変えるときには、「大げさに再現する」ように意識することが大切です。
イメージしているフォームと現実のフォームには大なり小なり差異が生じますし、「自分ではこうしてるつもりなのに、実際に見ると何も変わっていない」ということもあります。
そのため、身体の使い方やフォームを変えるときは大げさにやってみて、身体に覚えさせましょう。
テニス歴が長ければ長いほど、身体に染み付いた動きのクセ等も変えるのは大変です。少し意識した程度では何も変わりません。
「ここまで大げさにやっていいのか?」と思えるぐらい、大胆に変えましょう。
普段しない動きをするということは、必ず違和感を感じます。新しい技術を身につけるために、違和感を感じず自然にできるようになるまで反復練習しましょう。
テニスを上達させるために今すぐやめるべきこと
上記の注意点に加え、テニスを上達させるために今すぐやめるべきことについても紹介します。当てはまっているものがないかを確認し、今後の練習時にも意識するようにしてみてください。
自分に過度な期待を抱く
ミスをしたときにイライラしてしまうのは、根底に「自分はもっと良いショットを打てるはずだ」という期待があるためです。こうした過度な期待は以下のようなデメリットが挙げられます。
・プレー中にイライラしやすい⇒メンタルが安定せず悪循環に陥る
・余計な力が入りやすくなる⇒ショットが安定しなくなる
・空回りしている感覚にとらわれる⇒テニスがつまらなくなる
自分に対して過度な期待を抱かず、「ミスするのも当然」程度に余裕を持ってプレーした方がメンタル及びプレーの質も安定しやすいかと思います。余計な力も抜けますし、ラケットもしっかり振り切れるになるでしょう。
スランプに陥っていたり、調子が低迷している時期が長い場合は特に自分自身に期待しすぎていないか再確認してみてはいかがでしょうか。スランプを抜けるためのきっかけになるかもしれません。
打ち方・フォームについて考え過ぎる
真剣に練習しているのに実力が伴わない場合、「フォーム・打ち方について難しく考え過ぎている」可能性があります。
新しい技術を身に着けるために日ごろの練習で意識すること自体は何も間違っていません。ただし、実際のプレーで飛んでくるテニスボールのスピードは速く、打ち方についてあれこれ考えているうちにボールは飛んできてしまいます。
技術的な要素は1つのことだけを意識しながら練習する、試合では打ち方について考えずベストな打点で打つことだけに集中する等、あれこれと難しく考え過ぎないように意識を変えてみてはいかがでしょうか。
運動とは本来頭で考えて行うのではなく、感覚で行うものですから、可能な限りシンプルに考えるようにすることでより集中力も発揮できてプレーの質も向上するでしょう。
テニスを上達させるためにやめるべきことについての詳細はテニスを楽しむためにやってはいけないこと3選でご覧ください。
テニスの質を劇的に安定させるための2ポイント
「調子が良い時は良いショットが打てる」
「壁打ち等では上手く打てるが、試合になるとミスが早く安定しない」
基礎練習等ではある程度良いショットが打てる場合、一定以上は安定してコートにボールを入れ続けることができるだけの再現性を有した打ち方を習得できているかと思います。
にも関わらず、ショットの精度に大きな波があったり、試合になるとミスが増えて安定しない場合は以下の2点について改めて意識してみましょう。
極力、素振り通りに打つことを意識する
素振りの時のフォームと、実際にボールを打っている時のフォームの乖離が大きく、尚且つそれを自覚していない方は多いです。
最も力が入りやすく、ショットの安定性も兼ね備えた打ち方を習得するための素振りなのですから、実際にボールを打つ時でも極力素振りと同じように打つように意識してみましょう。
球出しや壁打ち等の基礎練習、ラリー形式の応用練習、試合、理想的には実際にボールを打つ全ての場面で素振りと同じように打てることが望ましいです。
もちろん、実際はそう簡単には実践できず、どうやっても素振り通りに打てない場面もありますが、意識することが大切です。
相手のボールとのリズムをしっかり合わせる
球出しや壁打ちのように、一定のリズムでどこに飛んでくるかが明確なボールを素振り通りに打てるようになったら、次に大切なのが「相手が打つボールに対してのリズム・タイミングを合わせる」ことです。
特に試合では、様々な球種・スピードのボールが様々な方向に飛んで来きます。また、相手によってボールの質も大きく異なるため、全てのボールを全く同じ力感等で返球することはできません。
例えば、普段はハードヒッターとラリーする機会が多く、打ち負けないように一定以上の力でボールを打っている中で、スピードや重さがなく弱々しいボールしか打たない選手と試合をする場合、普段通りに打つと恐らくタイミングが合わずアウトしてしまうでしょう。
同じ相手としか練習しない場合は、その方が打つボールに対しては無意識でタイミングを合わせられるようになるかもしれませんが、初めて打つ方とラリーしたり試合をすると、ショットの質やラリーのテンポが普段の練習相手と異なれば同じようには打てないということです。
どんな相手とのラリーや試合でもショットを安定させるためには、相手が打つボールとのリズムやタイミング等を合わせることを意識しましょう。
色々な方と練習する機会を増やしたり、「テニスを上達させるには試合に出るのが効果的」とされているのは、リズム・タイミングを合わせる感覚を培うこともできるためです。
【まとめ】テニスを上達させるための本質的な考え方は至ってシンプル
テニスを上達させるためには、自分の現状を把握し、ミスする原因等を明確にしたうえで改善するための技術を身につけていく、という考え方が本質的です。
現代では様々な実績を持つ方が上達に関する情報発信に取り組んでいますが、どの技術や理論が自身にマッチするかは場合によって異なります。
・なぜミスするのか?なぜ勝てないのか?
・どうすれば上手く打てるようになるのか?
上記2点を自分で考えながら練習を積み重ねることで、あなたのテニスは着実にレベルアップするでしょう。
今回お伝えした考え方をベースに、ご自身に適した技術等を試行錯誤を重ねながら見つけてみましょう。