テニスのフォアハンドの基本的な打ち方・練習方法について解説!

         テニスのフォアハンド

テニスのフォアハンドストロークについて解説します。

フォアハンドストロークはテニスをするうえで最も打つ機会が多い、テニスの基本となるショットです。

フォアハンドに関する正しい打ち方や知識を身につけて、反復練習を通してショットの精度を高めていきましょう。

「フォアハンドの基本が知りたい」
「フォアハンドが安定しない」
「これからテニスを始める・始めたばかり」
「フォアの調子が悪く、改めて基礎が知りたい」

上記に該当する方はぜひ最後まで読んでみてください。

フォアハンドストロークとは?

テニスおいてフォアハンドストロークとは、「利き腕側のサイドでボールを打つショット」のことです。

右利きの場合は身体の右側で、左利きの場合は身体の左側でラケットを振ってボールを打ちます。また、利き腕の反対側に飛んできたボールに対し、ボールの左側に回り込んでフォアハンドを打つことを「回り込みフォアハンド」といいます。

フォアハンドストロークが得意なプレーヤーは、フォアハンドを主軸にラリーを展開し、余裕があれば回り込みフォアハンドを積極的に活用する場合が多いです。

自分が攻める時、相手に攻められている時、様々な場面で打つショットで、「フォアハンドストロークの打ち合いを制する=試合を制する」と言っても過言ではないくらい、テニスでは最も重要且つ基本的なショットと言えます。

一般的にフォアハンドストロークは利き腕のみでラケットを握ってボールを打つため、自由度が高く、トッププレーヤーの中でも様々な打ち方・フォームの選手がいますが、その多くがフォアハンドストロークを武器にプレーしています。

テニスを上達させる・試合で勝てるようになるためには、フォアハンドの威力と安定性を両立させることが大切です。速くて力強いフォアハンドを打てても、安定性に欠けてしまうと「フォアハンドが上手い」とは言えません。

・入ればほぼ確実にエースが取れる威力だが、10球中1球しか入らない
・簡単にエースは取れない程度の威力だが、10球中9球入れることができる

上記の2パターンであれば、後者の方が優れたフォアハンドストロークを有していると言えるでしょう。とはいえ、より上のレベルを目指すのであれば、一定以上のスピード・回転量と安定性を両立させたフォアハンドを目指すべきです。

そのために、まずは本記事でフォアハンドの基本を押さえるところから始めましょう。

フォアハンドストロークの基本的な打ち方

フォアハンドを構える男性
フォアハンドストロークの基本的な打ち方として、大きく以下の2ステップに分けて考えるとシンプルです。

①体をターンさせて、ボールに対して横向きの状態を作る【準備】
②前足を踏み込み、体を横向きから正面に戻した時にボールを打つ【スイング・インパクト】

それぞれ具体的に見てみましょう。

①フォアハンドを打つ準備:体をターンさせて構える

まず、自分の利き腕側にボールが飛んでくると判断したら、上体を横に捻り、横向きの状態を作りましょう。この時、握っているテニスラケットを腕で動かしたりする必要はありません

テニスラケットを体の正面に持って構えていれば、上体が横を向けばラケットの位置は飛んでくるボールの延長線上に移動するため、これでラケットのセットは完了です。

ボールを打つ時にしっかり力を伝えるためには、下半身と上半身を連動させて横向きの状態を作る「ユニットターン」という構え方が基本形となります。

・ラケットを腕で操作せず、上体を捻ってラケットをセットする
・横向きを作る時に、ラケットは飛んでくるボールの軌道の延長線上にセットする

これでフォアハンドストロークを打つ準備は完了です。

②ボールを打つ:捻った体を元に戻す時にラケットをボールに当てる

①でボールを打つ準備が完了したら、後は飛んでくるボールとのタイミング合わせて捻った体を元に戻して、ラケットをボールに当てましょう

ラケットのフェイス面が打ちたい方向を向いたうえで、ボールをフェイス面の真ん中に当てることができれば、ボールは相手コートへしっかり飛びます。

自分の元に飛んでくるボールは、スピードや回転、軌道等が常に変化しているため、それぞれのボールに対してうまくタイミングを合わせることが大切です

フォアハンドストロークを安定してコートに入れ続けられるようになるまでは、スピードを追求せず、ラケットをゆっくり振ってボールを飛ばす練習をしましょう。

また、インパクトの時には、自分が最も力が入りやすい位置でボールを捉えることが理想です。

最も力が入りやすい位置は、グリップの握り方やフォーム等によって異なるため、素振りや球出し、壁打ち等の基礎練習で確認してみましょう。一番楽にボールを飛ばせる打点が、自分にとって最適な打点です。

フォアハンドストロークのコツ

テニス フォアハンド インパクト
ここからは、フォアハンドストロークを上達させるためのコツについて解説します。一度に複数のポイントを同時に意識しながら打つことは難しいため、1つずつ実践して身につけていきましょう。

準備からインパクトまで、腕や手だけでラケットを操作しない

フォアハンドストロークは体をターンさせて打つ準備をする段階からインパクトまで、腕や手だけでラケットを操作しないようにすることでショットを安定させることができます

ショットを安定させるためには、インパクトの時の面の形、つまり「打点」も安定させることが大切です。

腕や手首を使ってラケットをセットしたりスイングしたりすると、それに合わせてラケットの面も様々な方向を向いて安定せず、結果的に打点も不安定になりやすいです。また、腕で操作しようとすると「力み」も生じやすく、ラケットをスムーズに振りにくくなります。

インパクトの時に面の形の再現性を高めるために、腕や手首を必要以上に動かさないように注意しましょう。

体をターンさせる時には左手も使ってバランスや距離感を取る

右利きの場合、フォアハンドストロークは右腕・右手に意識がいきやすいですが、フォアハンドストロークを安定させるためには左手も重要な役割を担います

体をターンさせる時に、左手を右手と連動させて前に出すことで、横向きの状態を作った時点で肩を入れる形を作ります。

打つ準備の段階で肩を入れることで、横向きになった体を捻り戻してボールを打つときにスイングスピードを加速させることが可能です。

また、左手を前に出しておくことで体のバランスが取りやすくなるため、一番力が入りやすい打点の再現性を高めることもできます。実際に左手をポケットに入れたりしてフォアハンドを打ってみるとわかりますが、ボールに力を伝えることが難しくなるでしょう。

左手の形は人によって様々ですが、上級者やトッププロのフォアハンドストロークでも、左手を前に出して、しっかり肩が入った形でラケットをセットして構えています。

自分がフォアハンドストロークを打つときに左手を使って肩を入れることができているか、スイングを始める前に体が開いていないかを映像などでチェックしてみるのも有効です。

前足に体重を乗せてボールを打つ

より力強いフォアハンドストロークを打つためには、前足に体重を乗せて打つように意識しましょう

右利きの場合、まずは軸足となる右足を体をターンさせる時にボールの軌道の延長線上にセットします。

そして理想的には、インパクトの前に前足(左足)に体重を乗せてからボールを打つ形が望ましいです。

打つ前に左足を前に踏み込むことで、自然と前足に体重を乗せた状態で打ちやすくなります。

具体的な足の形はオープンスタンスやクローズスタンス、スクエアスタンス等がありますが、このスタンスについては自分が打ちやすい形で問題ありません。

どのようなスタンスでも肝心なのは「前足に体重が乗っていること」であるため、オープンスタンスであっても前足に体重を乗せて打つことができればパワーのあるフォアハンドを打つことができます。

ただし、テニスはレベルが上がれば相手のショットのスピードが速くなったり、ラリーのテンポが早くなったりするため、前足に体重を乗せて打つ余裕がない場合も出てくるでしょう。

そうした中で、全てのボールに対してしっかり前足に体重を乗せて打つことは難しいです。しかし、相手のボールが弱くなったり、自分が打ち込めるチャンスボールが返ってきたときにしっかり前足に体重を乗せて打てるように、普段の練習から意識しておくことが大切です。

フォアハンドストロークを上達させる練習方法【何を意識すべきか】

フォアハンドを練習する女性
次に、これまで解説したフォアハンドストロークをマスターするための練習方法について解説します。全く同じ練習メニューであっても、何となくこなすのか、何かを意識しながら取り組むのかで、テニスの上達スピードは大きく異なります。

質の高いフォアハンドストロークを手に入れるために、それぞれの練習で何を意識すべきかについて見てみましょう。

素振り

まずは素振りです。素振りはフォアハンドを安定させるための第一歩となる練習と言えます。

素振り練習をする際には、以下の2点を意識してみてください。

・ゆっくり振って、力が入りやすい打点の位置を覚える
・最もリラックスしてラケットを振り切れる動きを意識する

素振りでできないことを、実際にボールを打つときに再現することはできません。

思い切り力を込めてラケットを振り回すのではなく、実際にボールをコートに入れる想定でゆっくり、コントロールできる力感で振ってみましょう。無駄な力が入らず、違和感なく滑らかにスイングできるフォームがベストです。

球出し練習

次はコートで実際にボールを打つ練習です。

初めは近い位置から始めて、慣れてきたら徐々に距離を離して、遠い位置から飛んでくるボールを打ち返していきます。

球出し練習で意識すべきポイントは以下の2点です。

・素振りと同じようにラケットを振る
・一番打ちやすいポジションまで足を使って近づく

しっかりラケットの真ん中にボールを当てる感覚を磨き、様々な動きをつけても安定して打てるように目指しましょう。また、素振りの時と実際にボールを打つ時の動きに大きな乖離が生じないように、なるべく素振りとの時と同じように打つことも大切です。

ラリー練習

次は実際に人と打ち合う、ラリー形式の練習です。

球出し練習で飛んでくるボールはある程度一定のリズムや回転、威力ですが、ラリーでは様々な球種・軌道・回転のボールが飛んできます。フォアハンドストロークを上達させるには、様々な球種のボールに対してもミスをせず返球できるようにしなければなりません。

そのため、ラリー練習では以下のポイントを意識しましょう。

・飛んでくるボールの軌道を予測する
・予測に合わせてポジションを取る
・回り込める時は回り込みフォアハンドを打つ

予測力は試合で勝つ、ミスを減らすために非常に大切な能力です。生きたボールを打つ量を増やすことで、予測力の精度を高めることができます。また、余裕がある時は積極的に回り込みフォアハンドを使うように意識することで素早く打点に入るため必要なフットワークの向上にも役立つでしょう。

相手が打つボールのスピードやラリーのリズム等も観察しながら、常にベストなタイミングでフォアハンドを打つように意識してみてください。

再現性の高い打ち方を身につけて徐々にショットの質を高めよう

フォアハンドストロークの基本的な打ち方と、ショットを安定させるためのコツについて紹介しました。

フォアハンドを上達させるために、まずは安定してコートに入れることができる再現性の高い打ち方を身につけることが第一歩です。

必要最小限の動きでボールを飛ばして、安定して入るようになったら、徐々に動きも大きくしたり、前足に体重を乗せて打つように意識してみたり、ショットの質を高める練習をしましょう。

複数のポイントを同時に実践することは難しいため、焦らず、1つずつ習得できるように反復練習に取り組んでみてください。