今回はテニスにおける「脱力」についてです。
「力を抜け」「リラックスが大事」と言うものの、実際に脱力してボールを打てている人は多くありません。
力を抜けと言われても抜けなかったり、リラックスしているつもりでも物凄い力でグリップを握り締めて打ったりしてしまうわけです。
そこで本記事では、「脱力」の定義を具体的に言語化したうえで、省エネで各ショットの安定性・精度を高めるためのコツについて解説します。
・ストロークが安定せずに悩んでいる
・常にどこかに力が入ってしまう
・省エネテニスを身につけたい
・もっと楽にボールを飛ばしたい
上記に該当する方は必見です。
目次
テニスにおける「脱力」とは?
テニスにおける「脱力」とは、「適度な力でラケットを握る」ということです。
ラケットを握る時の力を最大値を「100」として数値化したときに、「100」⇢「99〜1」に落とすことを脱力と言います。決して「脱力=ラケットを握る力を「0」にする」という話ではありません。
ラケットを握る力を「0」にするとラケットを振るどころか、握ることもできないわけです。
脱力を意識していても思うように力が抜けない方は、「脱力」を可能な範囲まで言語化して落とし込む必要があります。
要は意識・イメージの問題で、「脱力=力を抜く・入れない」のではなく、「脱力=適度な力でボールを打つ」という認識の方がテニス的に正しいと言えるかと思います。
脱力によってショットの質を高めるための3つのコツ
以上、「脱力」の定義を明確にしたうえで、各ショットの質を高めるための具体的な方法について考えてみましょう。
身体の細かい部位に意識を集中させない
必要以上に力を使わず、常に適度な力感でボールを打つためには、「身体の細かい部位に意識を集中させない」ということが大切です。
例えばフォアハンドストロークの場合、主にラケットを操作する利き腕に意識が向きやすいかと思います。
フォアが安定しない時は特に、ラケットを握っている腕に原因がないかと考えて利き腕に意識が向いてボールへの集中力が低下し、打点が合わずミスショットになるわけです。
実際にミスしている原因は左手で上手く距離感が掴めていなかったり、そもそも足が間に合っていないだけの可能性も考えられます。
打点さえ合っていればボールはしっかり飛ぶので、身体の細かい部位に意識を向けすぎず、良い意味で「適当な力感でラケットを握っておく」ぐらいの意識でも良いかもしれません。
インパクトの瞬間にだけ力を加える
力を入れるタイミングはボールにパワーを伝えるためには重要です。
ラケットを握っている状態からさらに力を加えるベストなタイミングとしては、「インパクトの瞬間」ですが、上手く力が伝わらない場合は力を加えるタイミングが早すぎるかもしれません。
必要以上に力を加えるとその時点で運動連鎖による力の伝達は止まってしまい、スムーズにラケットを振ってボールに力を伝えることができなくなります。
自分自身が適切なタイミングで力を加えられているか、そうでないかを練習する時にでも改めて意識してみましょう。
力を入れるタイミングがほんの少し変わるだけで、ショットの安定性や威力は驚くほど変化します。
力の入れ具合の最大値を「100」として、構えているときは「20〜30」程度で、インパクトの瞬間だけ「50〜70」のイメージで打ってみてはいかがでしょうか。
あくまで数値はイメージなので、細かく考え過ぎずにフィーリングで問題ありません。
常に足を動かし続けて動きを止めない
適度な力感でスムーズな動作でボールを打ち続けるためには「動きを止めない」ことが重要で、動き続けることで「リズム」が生み出されます。
リズムが生まれると打点に対してのフットワークやタイミングも徐々に合わせやすくなり、力を入れるタイミングも感覚で掴みやすいです。
自分のリズムと飛んでくるボールのリズムが一致することで、ベストなタイミングでボールを捉えることができます。
どれだけの力感でラケットを握っていても、最も重要なのは打点です。
適度な力感でベストなタイミングで打てるように、常に足を動かし続けることでリズムを作り、動きを止めないようにしましょう。
【まとめ】テニスは良い意味で「適当に打つ」ことがベストな場合もある
テニスは難しく考えれば考えるほど上手く打てなくなります。そのため、真面目な人ほど練習量と実力が伴わない現象が起きるのではないかと思います。
今回紹介した「脱力=適度な力でラケットを握る」という意識も、具体的にイメージできるように数字を用いて説明しましたが、実際は細かく考える必要はありません。
あまり深く考え過ぎず、良い意味で適当にボールを打つことが不調から脱却したり、テニスを劇的に上達させるきっかけになる場合もあります。
何をやっても上手く打てないときこそ、一度考えることをやめて適当に打ってみるのは効果的です。