ストロークの打点を安定させるために「テイクバック」の概念は無視するべき話

         テニスのテイクバックについて考える女性

今回はストロークの「テイクバック」についてです。

テニスにおける「テイクバック」とは、ラケットを後ろに引く動作のことで、ボールを打つために必要な準備とされています。

ところが、この「テイクバック」という概念は現代テニスにおいてはあまり考えなくてもいいという見方が増えています。

ストロークの打点を安定させるために、テイクバックについて改めて考えてみましょう。

・ストロークを安定させたい
・打点が安定せずミスショットが多い
・テイクバックについて迷っている

上記に該当する方はぜひ参考にしてみてください。

テイクバックという概念は無視してみよう

バックハンドを打つジュニア選手
結論としては、「テイクバック」という概念を一度無視して、深く考えないようにすることでストロークの打点を安定させることに繋がる可能性があります。

なぜ、テイクバックを無視することで打点が安定するのか?

まずはテイクバックという概念がもたらすデメリットについて見てみましょう。

テイクバックを意識するデメリットは?

手だけでラケットを引いてしまう

テイクバックはラケットを引く動作とされていますが、現代テニスでは上半身を捻ってラケットをセットする「ユニットターン」が主流です。

「テイクバック(ラケットを引く)」という意識で構えると上半身ではなく、腕だけでラケットをセットしてしまいます。

腕だけでラケットを操作すると身体とラケットの距離感も乱れ、結果的に打点を安定させることが難しくなると言えるでしょう。

考えている間に振り遅れてしまう

・どのような形のテイクバックが正解か?
・ラケットヘッドはどこで落とす?
・ラケットヘッドを相手に向けた方が良い?

上記のようにテイクバックについて考え過ぎていると、考えている間にボールは飛んできてしまいます

どこに飛んでくるかが明確な球出し練習等であれば問題ありませんが、試合では常にどこに飛んでくるかは分からないですし、球速も速いです。

そのため、テイクバックに意識が集中すると準備も遅れてしまい、振り遅れによるミスヒット・ミスショットに繋がります。

ラケットを二度引きしてしまう

上半身を捻ったり、足を踏み込んで横向きの体勢を作った時点で既にラケットは身体の横にセットできます。

つまり、腕でラケットを引くテイクバックに加えて身体を捻ったり足を踏み込むことでラケットを二度引きしてしまう可能性があるということです。

ラケットのセットアップは遠心力を使えるだけのスペースが作れれば十分なので、2回も引く必要はありません。

適切な打点でボールを捉えることができればテイクバックの形は何でもOK

ストロークに限らず、テニスにおいて重要なのは「打点」です。

つまり、適切な打点でボールを捉えることができていれば、テイクバックの形は問題ではありません。

逆にいうと、テイクバックがどれだけ綺麗なフォームであったとしても、適切な打点で捉えることが難しければ実用性が低いフォームであるとも言えます。

そのため、ストロークの打点を安定させるためには「テイクバックについて深く考えない」ということが第一歩です。

「テイクバック」の形は「打点」から逆算した結果として現れる

プロや上級レベルのプレーヤーで、テイクバックについて細かく考えている方はあまり多くありません。

多くの場合、「打点」を第一に考えており、「どこでどのようにボールを捉えたいか」を意識して、それに合わせてテイクバックの形は勝手に形成されるイメージです。

つまり、高い打点で打つ場合はラケットをセットする位置が高くなったり、スピン系のショットを打つ場合はラケットヘッドをしならせやすいフォームになったり、「自然とそうなっている」と考えることができます。

「ラケットをどのようにセットするか(テイクバック)」が先行すると、相手の打ったボールの球種や軌道が合っていなければ適切な打点で捉えることが難しいです。

【まとめ】テイクバックについて深く考えないことでショットが安定する

適切な打点でボールを捉えるためには、相手の打ったボールの軌道を予測して素早く構えることが大切です。

そのため、テイクバックについて深く考えていると反応も遅れますし、タイミングを合わせにくくなります。

また、テイクバックの形を固めてしまうと、特定の軌道のショットにしか良い打点でボールを捉えることができなくなるため注意が必要です。

相手のプレースタイルやショットによって適した打点も変化するのですから、打点の変化に合わせてラケットを構える動きも変化します。

ストロークが安定せずテイクバックについて悩んでいる方は、一度テイクバックという概念を無視して「どこでどうラケットをボールに当てるか」について考えてみてはいかがでしょうか。