テニスのサーブの中でも基本的な球種の1つ、スライスサーブの打ち方について解説します。
「サーブを上達させたい」
「スライスサーブを打てるようになりたい」
「スライスサーブの質を高めたい」
サーブについて悩んでいる方は必見です。
目次
スライスサーブの定義
スライスサーブは、「ボールに横回転をかけて打つ」サーブで、打点は身体の右斜め前方向になります。
横回転がかかることで右利きの場合は左へ、左利きの場合は右へ逸れていくような軌道でボールが飛んでいきます。
縦回転のかかったスピンサーブはバウンド後に高く跳ねますが、スライスサーブは低く跳ねるのも特徴の一つです。
スライスサーブを返球するレシーバーは低い位置からボールを打ち上げる形になりやすく、サーバーにとっては攻撃されにくいという利点もあります。
また、回転がかかることでボールの飛距離も調整しやすく、ダブルフォルトを減らすという面でも有効です。
スライスサーブの打ち方
まずはスライスサーブの基本的な打ち方について解説します。
今回お伝えするポイントを抑えて、実際に打てるようになりましょう。
トスを身体の右側に上げる
スライスサーブを打つ場合、トスは身体の右側に上げます。
身体の右側にトスを上げることで、必然的にラケットは右に向かって飛び出し、横回転も自然にかかるためです。
ただし、あまりにも右側に上げすぎるとスライス回転はかかりやすい一方でサーブの軌道を相手に読まれてしまいます。
適度な距離感で右側に上げるように意識してみましょう。
ラケットを右に振ってボールを左に飛ばす(左利きは反対)
スライスサーブは、「ラケットを右に振ってボールを左側に飛ばす(左利きの場合は反対)」というイメージがポイントです。
ラケットを振る方向が右を向いていてもインパクトの面は対角線上に向いているため、自然とそうなります。
ミスを恐れず、ラケットを思い切り右に振ってボールを左に飛ばしてみてください。
回転量を増やすための打ち方
回転量を増やし、曲がる軌道のスライスサーブを打ちたい場合は、薄く当てることが大切です。
トスで上げたボールに対し、真横からラケットが出てきてそのまま右に抜けていくようなラケットワークになります。
ボールの右側をストリングで削るようなイメージですが、切りすぎると回転はかかる一方でスピードは出せないため、程よい打感を意識しましょう。
スピードを上げるための打ち方
スライスサーブでスピードを求める場合、「ボールの右側をストリングで叩く」ようなイメージで打ちます。
サーブに限らず、基本的にテニスのショットは薄く当てると回転がかかり、厚く当てるとスピードが出やすいです。
その性質をスライスサーブにも当てはめて、自身にとって最もバランスが良い回転×スピード比率のスライスサーブを身につけましょう。
スライスサーブの精度を高めるためのコツ
スライスサーブの精度を高めてダブルフォルトのリスクを減らす、ポイント取得率を上げるための4つのコツについて紹介いたします。
・トスを高く上げすぎない
・「切る」のではなく「叩く」
・スイングをコンパクトにする
・当てる位置でコースを調整する
トスを高く上げすぎない
まず、トスは高く上げすぎないように注意しましょう。トスが高すぎるとインパクトまでに間ができてしまい、運動連鎖が機能しなくなります。
トスを上げたボールが最高到達点に到達して、落下を始めたあたりで打てることが望ましいです。
実際に自分がスライスサーブを打つときのスイングの高さに合わせてトスを上げて、インパクトまで身体の動きが止まらないように意識してみてください。
「切る」イメージではなく「叩く」イメージを持つ
ボールの右側を切るようなイメージで打つことで、確かに回転をかけることはできますが、一方でスピードを出すことが難しいです。
そのため、薄く当てる場合も厚く当てる場合も「切る」よりも「叩く」イメージで打つことで回転とスピードを両立させやすいと言えます。
手首はリラックスさせてスイングをコンパクトにする
全ての球種共通ですが、手首をリラックスさせてスイングをコンパクトにする意識も大切です。
イメージとしてはインパクト後に肘が高い位置に残る形になりますが、これは手首を柔らかく使った結果としてそうなります。
インパクト後にラケットを止めて意識的に肘を高く残すのではなく、手首を柔らかく使うように徹底しましょう。
柔らかく使うことでラケットヘッドも走りやすく、鋭く早いスライスサーブを打つことができます。
ラケットの当てる場所でコースを調整する
スライスサーブの打つ方向・コースは「ラケットの当てる位置を変える」ことで調整するようにしましょう。
インパクト時に、ラケットのストリングはボールに押されることで面の向きが僅かに変わります。
デュースサイドから打つ場合、インパクトがラケット面の左側であればワイドに、右側であればセンターにラケット面が向き、ボールもその向きに合わせて飛びます。
アドサイドも同様の理屈でワイドやセンターも打ち分けることが可能です。
「インパクト時にストリングがボールに押されて面の向きが変わる」という性質を利用してコースを調整するようにしてみてください。
【まとめ】同じトスから複数の球種のスライスサーブを打とう
・ラケットを右に振ってボールを左に飛ばす
・ラケットのどこに当てるかでコースを調整する
主に上記2点をうまく活用して、同じトスから様々な軌道のスライスサーブを打てるように練習しましょう。
デュースサイドからワイドに打ったり、アドサイドからセンターへ左に曲がるように打ったり、スライスサーブの精度を高めることで強固なサービスキープ力も身につきます。
今回お伝えしたポイントを1つずつ反復練習を積み重ねることで、自分の技術として身につけながらレベルアップを目指しましょう。